複数の不動産に抵当権が設定された場合、共同担保目録が作成されます。
そして、その抵当権を抹消した場合の共同担保目録ですが、
例えば、甲管轄内のA、Bという2筆が共同担保であり、当該2筆を抹消すると、
共同担保目録の各物件には下線が引かれ、目録の一番下に
「平成○○年○○月○○日全部抹消」と記載されます。
目録のこの部分を見れば、全ての不動産の謄本を取得し確認せずとも、当該抵当権は
全て抹消されたことがわかる訳です。
それに対し、甲管轄内のA、Bという2筆が、他管轄である乙管轄内のC、Dという
2筆が共同担保である場合に、甲管轄内のA、B2筆のみを抹消した場合は
どうでしょうか。
A(またはB)の謄本を共同担保目録付きで取得すると、やはり「平成○○年○○月○○日
全部抹消」と記載が入ります。ただし、よく見ると他管轄C、Dの物件には下線が
引かれていません。
共同担保目録の「全部抹消」という記載は、あくまでも当該管轄内の物件が全て
抹消されたか否かを基準として記載されるものであり、間違っても全管轄の全ての
物件が抹消されたことではないため注意が必要です。
ちなみに、当該事例でC(またはD)の共同担保目録にはA、Bの物件に下線が引かれ
ますが、「全部抹消」とは記載されません。
登記完了後のチェックで少し気になった点でした。
司法書士DAIGOのHome×Houmu
2015年5月19日火曜日
2014年11月19日水曜日
監査役の監査の範囲に関する登記
改正会社法 (会社法の一部を改正する法律)が平成26年6月27日公布され、
平成27年4月もしくは5月に施行予定とされています。
その中で、多くの中小企業に関するものが「監査役の監査の範囲に関する登記」です。
監査役は、取締役の職務の執行を監査するわけですが、当該監査には業務監査と
会計監査の2種類があり、一定の会社においては、監査役の監査の範囲を会計に
関するものに限定する旨を定款上定めることができます。
しかしながら、現行の登記はただの“監査役”としてのみ登記されます。
つまり、登記簿を見ただけでは、業務監査も含む監査役なのか、会計監査のみの
監査役なのか判別がつかず、この点が問題とされておりました。
改正会社法では、会計監査のみの監査役の場合は当該定款の定めも
登記しなければならなくなりました。
ただし、登記には登録免許税がかかるわけで、その点に配慮してからか
「法案施行後最初に監査役が就任又は退任するまでは、会計監査のみである旨の登記は
先送り可能」とする経過措置が予定されています。
ちなみに、面倒だから定款変更して、業務監査も含む監査役にしてしまえば登記を
しなくても済むのでは、と考えないでください。このような定款変更をすると、現在の監査役は
任期満了となり、新たな監査役を選任する必要があります。結局登記は必要となりますので。
ご注意ください。
平成27年4月もしくは5月に施行予定とされています。
その中で、多くの中小企業に関するものが「監査役の監査の範囲に関する登記」です。
監査役は、取締役の職務の執行を監査するわけですが、当該監査には業務監査と
会計監査の2種類があり、一定の会社においては、監査役の監査の範囲を会計に
関するものに限定する旨を定款上定めることができます。
しかしながら、現行の登記はただの“監査役”としてのみ登記されます。
つまり、登記簿を見ただけでは、業務監査も含む監査役なのか、会計監査のみの
監査役なのか判別がつかず、この点が問題とされておりました。
改正会社法では、会計監査のみの監査役の場合は当該定款の定めも
登記しなければならなくなりました。
ただし、登記には登録免許税がかかるわけで、その点に配慮してからか
「法案施行後最初に監査役が就任又は退任するまでは、会計監査のみである旨の登記は
先送り可能」とする経過措置が予定されています。
ちなみに、面倒だから定款変更して、業務監査も含む監査役にしてしまえば登記を
しなくても済むのでは、と考えないでください。このような定款変更をすると、現在の監査役は
任期満了となり、新たな監査役を選任する必要があります。結局登記は必要となりますので。
ご注意ください。
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